弊の舞


 弊を準備する。舞衣(まいぎぬ)を纏めで尻舞が持つ。剱を舞うときは舞衣を巻きつけて一人で舞う。
 右手に弊を持って舞う。さがりはに同じ鼓(つづみ)の形にまう。
 前半は、弊を両手で保持し、腰を落として静かに威厳を保つ。機をみて弊を叛転し、勢いよく激しく動き、力を込めて、岩戸を押し開く舞である。
 後半は、ゆったりと弊を転ばせながら、平和な世を満喫する舞いである。
 文字通り「天の岩戸を押し開く」場面を彷彿とさせるまいである。緩急よろしく弊を転がせながら、左に大きく振り出して正面に置き、右辺から天上へと操る仕草は、緊張・静寂の世から解放された歓喜、天下太平の世の幸せを謳歌する雰囲気がある。天上天下を超越して、宇宙をも統(す)べるの観がみなぎる。
 舞の締めの所を、「左手薬指を折り、開いてかざす(九字を切る)」所作を入れて舞う。
 同じ舞を繰り返して舞う。正面を向いて終わる。

 *「九字を切る」とは? 
   護身の秘法である九つの文字。「臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前」を切る。