弊の舞


 弊を左手に、右手に鈴を持って舞う。
 舞衣(まいぎぬ)を纏めて、尻舞の者が持つ。
 太鼓の唄が入る。
 太鼓方が、7つ唄う。①と②・③と④・⑤と⑥はセットに唄う。①の唄の続いて、すぐ、②の唄のなる。唄を聞く間派姿勢に特徴があり、余り動かないで、静かに舞う。⑦の唄の後で太鼓の「おやっ」から締めの笛に入り狂いの舞に移行する。
 ①と②のセット唄の後に、お囃子に合わせて神楽の優雅な舞が見られる。見せ場である。弊を一杯の伸ばし、動きガ大きく、鈴の音の響きも爽やかである。
 弊と鈴とによって穢れが祓われ、淨められた、煌(きら)びやかさ。しかも、
のびやかで美しい舞である。
 お囃しのテンポも、また、よくて、太鼓の掛け声の軽快さも、いよいよ冴えて、盛り上がる。・・・響く・・・次の唄③と④へと進む。
 唄を聞く舞の仕草は、弊を右腕で支えて、あたかも乳飲み児をあやす姿がある。或いは、又、鈴と弊を背に手を前に差し出す様に揺り籠であろうか。
 唄について言うと、①・③・⑤・⑦は格調高く唄う。
 ②・④・⑥は羽目を外して、座興を誘う様に工夫されている。
 ①は「富士の白雪や、朝日で溶ける・・・」が定版。
 ②は、たとえば、「あの餓鬼や、どこの餓鬼だ・・」という具合に。
 ⑦は決め唄で、神前での奉納舞は、「散供成就で護らセ給え」。村舞では、「これで終えばお家のご繁盛」を唄う。
 「散供成就」の「散供」=米、金銭などをまき散らかして、悪、けがれ、災厄等を祓い、善、浄、吉詳等をあがなおうとすること
 唄に合わせた舞い(子ともを抱いて子守歌であやす=生活讃歌)と優雅な美しさを表現しているのが弊の舞である。